セラミック治療は医療費控除の対象?手続き・注意点を解説
監修:歯科医師 金丸智士
歯のセラミック治療は保険適用外の治療であるため「高額」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。
しかし、条件を満たせば医療費控除の対象になるため経済的な負担を減らせることをご存じでしょうか。
この記事では、医療費控除の対象となる歯科治療の種類や手続き方法、注意点までわかりやすく解説します。
1.医療費控除の対象となる歯科治療とは?
1-1 セラミック治療は医療費控除の対象になる?
1-2 他にも控除対象となる歯科治療例
2.医療費控除とは?仕組みと条件を解説
2-1 医療費控除の概要
3.セラミック治療の医療費控除・手続き方法
3-1 必要書類一覧
3-2 手続きの流れ
3-3 提出期限
3-4 セラミック治療を医療費控除で申請する際の注意点
4.まずは歯科医院や税務署へ事前相談から始めましょう
医療費控除の対象となる歯科治療とは?
まず押さえておきたいのは、すべての歯科治療が医療費控除の対象になるわけではないということです。
審美目的か、治療目的かによって判断が分かれます。
セラミック治療は医療費控除の対象になる?
結論から言うと、治療を目的としたセラミック治療は医療費控除の対象です。
ただし、単に歯を白く見せたい、美しく整えたいという審美目的のみの治療は対象外となります。
▼ 控除対象となる例
- 虫歯治療などで失った歯の機能回復を目的とした被せ物
- 金属アレルギー対策でセラミックを選んだ場合
- 噛み合わせを治すための矯正治療
▼ 対象外となる例
- 歯並び改善や美白など見た目だけを目的とした治療
- 審美歯科でのラミネートベニアなど
他にも控除対象となる歯科治療例
- インプラント治療(咀嚼機能の回復目的)
- 矯正治療(発育や咀嚼障害があると医師が診断した場合)
- 入れ歯(義歯)の製作費用
医療費控除とは?仕組みと条件を解説
医療費控除の概要
医療費控除とは、その年1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税や住民税が軽減される制度です。還付金が戻ってくる可能性もあります。
控除の対象になる人
- 納税者本人
- 生計を一にする配偶者・家族分も合算OK
控除額の計算方法
(支払った医療費-保険金など補填額)-10万円(※)=医療費控除額
※所得200万円未満の場合は総所得の5%
医療費控除の上限は200万円。還付額は所得税の税率に応じて異なります。
住民税も同様に減額されます。
税率が高いほど還付額も大きくなるので、所得の多い人が家族全員分をまとめて申告すると良いでしょう。
セラミック治療の医療費控除・手続き方法
必要書類一覧
医療費控除は確定申告をすることで適用されます。確定申告時に以下の書類を揃得、税務署に提出する必要があります。
- 確定申告書
- 医療費控除の明細書
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- 医療費の領収書(5年間保管義務あり)
- 通院に使った交通費の記録(公共交通機関のみ)
- 還付金の振込口座情報
- 本人確認書類(マイナンバーカード等)
手続きの流れ
1. 1年分の医療費を集計
国税庁HP「確定申告書等作成コーナー」を使うと便利。
2. 医療費控除の明細書を作成
健康保険組合の「医療費通知書」があれば簡略化が可能。
3.確定申告書を作成・提出
提出の方法は郵送・e-Taxによる電子申告・税務署窓口のいずれか。
提出期限
毎年2月16日〜3月15日が確定申告期間です。
また、この期間には税務署以外にも各地で「確定申告会場」が設置されており、確定申告の相談・提出などを受け付けています。
セラミック治療を医療費控除で申請する際の注意点
1. 審美目的は対象外
「虫歯治療」「咀嚼機能回復」「金属アレルギー回避」など、治療目的である必要があります。不安な場合は事前に歯科医院に確認してみましょう。
2. 領収書は必ず保管
確定申告では提出不要ですが、税務署から求められる場合があるため、5年間保存しましょう。
3. 交通費は公共交通機関のみ
自家用車のガソリン代・駐車場代は医療費控除の対象外です。通院に利用したバス・電車・タクシー(急を要する場合)代は領収書や記録を残しておきましょう。
4. 保険金など補填分は差引く
医療保険から支給された給付金や、高額療養費制度などで補填された金額は支払った医療費額から差し引く必要があります。
5. 医療費控除とセルフメディケーション税制は併用不可
12,000円以上のOTC医薬品購入による控除制度と併用はできません。歯のセラミック治療など高額治療なら医療費控除を選ぶのが一般的です。
まずは歯科医院や税務署へ事前相談から始めましょう
歯のセラミック治療は、歯の美しさだけでなく、虫歯予防や機能回復といった重要な役割を担う素晴らしい治療法です。
しかし、一方で保険適用外で費用が高額になりがちなので治療に踏み出せないという人もたくさんいらっしゃいます。
そのため、医療費控除を正しく知り、活用すれば、所得税・住民税が軽減され、経済的負担を抑えることができ、理想の治療を受けられる可能性も高まります。
▼ この記事のポイントまとめ
- 治療目的なら医療費控除の対象
- 必要書類を揃えて確定申告が必須
- 領収書・交通費の管理を忘れずに
- 5年間遡って申告可能
- 控除とセルフメディケーション税制は選択制
これからセラミック治療を検討している方は、ぜひ事前に税務署や歯科医院に確認してみてください。そして、もしすでにセラミック治療を受けているのであれば、医療費控除を受けられるか、一度確認してみましょう。