コラム

  1. かなまる歯科クリニック
  2. コラム
  3. 歯が黒くなるのはどうして?原因と対処法について解説

歯が黒くなるのはどうして?原因と対処法について解説

監修:歯科医師 金丸智士


噛み合わせ部分が黒くなっている歯の模型

歯は口を開けると見えやすいため、歯が黒くなっていたり、茶色がかっていたりすると日常生活で気になってしまう場面も多いと思います。また、虫歯や歯周病なども疑われるため、歯科医院に行くべきか悩まれる方も多いのではないでしょうか?今回は、「歯が黒くなる原因」や「治療やケアの必要性」「受診のタイミング」などについてご説明します。

【目次】
1.歯が黒くなる原因について
 1-1黒い点や筋があると虫歯かも
 1-2歯に沈着した「着色」の可能性も
 1-3神経の通っていない歯の変色
 1-4歯の根元が黒いのは「黒い歯石」のことも
2.自己判断での放置は危険!歯科医師の診断を受けましょう
3.歯科医院を受診するタイミングについて
4.歯が黒いと感じたら、まずは歯科医院を受診しましょう!

歯が黒くなる原因について

歯が黒くなった場合、治療が必要だったり口腔ケアの見直しで改善されたりと、原因によって対処の仕方が異なります。具体的な例を以下にご説明します。

黒い点や筋があると虫歯かも

歯が黒いと、最初に疑われるのは虫歯です。黒い筋や点などの場合は小さい虫歯であることが多く、比較的簡単な治療で治すことができます。(表面のみの初期虫歯であれば、治療をせずに経過観察することもあります)

歯に黒い穴があいていたり、内部が黒ずんで見えたり、しみたり痛んだりする場合は、虫歯が内部まで進行していると考えられます。歯科医院を受診して
確認してもらいましょう。一見、小さな虫歯に見えても、内部で拡がっていることがあるため注意が必要です。

歯に沈着した「着色」の可能性も

歯が黒っぽい、茶色っぽい場合は、「着色」の可能性があります。着色は、食べ物や飲み物の色が沈着することでおこります。特に、コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなどは、着色の原因となりやすいです。
着色は、歯のザラつきの原因にはなりますが、特に歯に悪影響を及ぼすものではないため治療は必要はありません。しかし、一度着いてしまうと歯磨きでは除去できません。歯科医院でのクリーニングを受けていただき、専門的な機械で着色除去を行うことで改善します。定期的に受けていただくと、着色を予防することもできます。

セルフケアでは、食事を行なった後に、ブクブクうがいをしたり、歯磨きを行なうようにすると、着色がつきにくくなります。

神経の通っていない歯の変色

神経の治療を行なった歯は、徐々に黒ずんでくることがあります。これは、歯の神経が通っていないことで歯の組織に必要な栄養成分が行き届かなくなるためです。このことにより、将来的に歯自体ももろくなり、割れたり欠けたりする可能性があります。しかし、神経がないために、痛みなどの症状も出にくく気づかないこともあります。神経の治療を行なった歯は、定期的に歯科医院で診てもらいましょう。

神経治療後に被せ物をせず、元の歯の状態で治療を完了されている方もいらっしゃいます。その場合、歯の黒ずみが気になる方は、セラミックの被せ物での治療を受けていただくと見た目の改善はもちろん、歯の強度を高めることにも繋がるのでおすすめです。

歯の根元が黒いのは「黒い歯石」のことも

歯と歯茎の間に黒いものが付着していたら、歯石である可能性が高く、歯周病のサインかもしれません。
本来、歯石は白や薄黄っぽい色をしています。しかし、歯と歯茎の間にプラークがたまると、プラーク内部に存在する細菌が歯茎の炎症を引き起こし、歯茎が出血しやすくなります。そうすると、その血液とプラークが原因となって歯と歯茎の間に黒い歯石ができやすくなります。そのため、黒い歯石がついている場合、歯茎の炎症が強く歯周病が進行しやすいことが考えられます。

また、黒い歯石は、歯茎内部に存在しているため見えにくく、歯に強固に付着しているケースが多いです。歯科医院での治療で、スケーラーと呼ばれる器具で数回に分けて歯石取りを行いながら、自宅でのケアも行なっていただき歯周病を改善していきます。

クリーニングを定期的に受けていただくと、歯ブラシが届きにくい歯と歯茎の間部分まで洗浄できるため、歯周病予防への大きな効果が期待できます。

自己判断での放置は危険!歯科医師の診断を受けましょう

歯が黒いと感じた場合に、自己判断で放置したり、ご自身で処置を行なおうとするのは危険です。

歯の構造上、歯の表面のエナメル質は硬く、その内部は比較的軟らかい組織となっています。歯に黒い点や筋が見え、しみる症状くらいだと、「まだ歯科医院に行くほどではないかな」と自己判断してしまいがちです。しかし、歯科医院でレントゲン撮影を行なうと、内部で虫歯が拡がっているケースもあります。

また、歯と歯茎の間に黒い歯石をみつけたときに、市販のスケーラーなどを使用して、自分で歯石を取ろうとする方もいます。しかし、これは大変危険です。歯茎内部を傷つけてしまうことで歯茎が下がってしまったり、歯自体を余計に傷つけて痛みを生じるようになることもあります。

お口の中で気になることがあったら、まずは歯科医院で相談しましょう。歯の専門家により、正しい方法で治療やケアを受けることができます。

歯科医院を受診するタイミングについて

あらかじめ診療時間を確認しましょう。歯科医院によっては事前に連絡が必要な場合もあります。

○早めの受診が必要な場合
<受診目安>
当日~一週間くらいを目安に受診しましょう。(当日に診察可能な場合もありますが、診察予約がいっぱいだと待ち時間が発生することがあります)
<症状の程度>
・歯が痛む、しみる症状が繰り返し起こる
・痛みが継続している
・歯に穴が開き、黒くなっている
・半年以上、歯科医院へ行っていない

○急を要さない場合
<受診目安>
急がなくても良いですが、まれにお口のトラブルが見つかることもあるので、一か月以内を目安に受診することをお勧めいたします。定期健診に通われている場合は、次回の健診で相談するのも良いでしょう。
<症状の程度>
症状はないが、口元から黒い部分が見えて気になる など

歯が黒いと感じたら、まずは歯科医院を受診しましょう!

歯が黒くなっている場合、虫歯や歯周病などが疑われることもあります。ご自身の判断で放置してしまい、これらの病気が進行してしまうと、その分、治療回数が増えたり、痛みがでやすくなってしまうこともあります。

お口の中で気になることがあれば、まずは歯科医院で診てもらいましょう。

定期的に歯科検診やクリーニングを受けていただくのもおすすめです。お口のトラブルを早期に発見でき、予防することができます。

ネット予約はこちら

電話で予約する